緑のバーモント

 

緑のバーモント

  1977年6月13日より一年間アメリカで生活しコミュニティの中にとけ込むことによりアメリカの市民生活をより深く体験することを目的に留学をした。
一年間は現在思いおこしてみると全く短く感ずる。しかし毎日が新しいアメリカ、激しく変わって行くアメリカの発見また多くのアメリカ人たちとの出合いなど新鮮な驚きが多かった充実した日々だったと思う。
私の感じたアメリカはいまだに新しい大陸で育った移民の国の精神が脈うっており、この国で生活する開放感は日本やヨーロッパと完全に異なる新鮮さだった。アメリカに住む日本人は一般的にアメリカナイズされる傾向が強く自国の文化を簡単に放棄する。私はどうもその典型でありどっぷりつかってしまったらしい。しかしそうならなすアメリカに住む日本人はその行動範囲は極端偽場待ってしまうだろう。
アメリカはあまりにも大きな国で私にとってアメリカはなんだったのかといえ自分の住んでいた土地、また会ったアメリカ人たちについて一つ一つ説明していくより仕方がないのかもしれない。多くのアメリカでの体験談などが極端事象や特殊な部分を誇張して表現していることがあるが平均的なアメリカ人は国民性の違いはあるものの、人間の生活は日本人もアメリカ人も本質的に変わらないものだと感じた。
日本人留学生としてのアメリカ生活は非常に快適で過ごしやすくアメリカ人もどこでも心よく向かえてくれる。けれども彼らの生活にもう一つ深く入り込もうとするときに一つの壁があるように思った。その異和感、仲間でなくお客様になってしまう立場は多かれ少なかれ感じられる場合が多い。これらの問題はたった一年の滞在で克服できることではないが相手をより理解しようと思ったときには必要な条件である。それらの壁は言葉の問題、文化的背景による物の考え方であったり、また物理的な外観(目の色、かみの色)だったりする。物理的な面は別にしてあとは努力しだいで彼らに近づくことがき一端そこまで行けばかなり異和感は薄まるのではないかと思う。むしろ日本人どうしのコミュニケーションよりも明確にまた親密にそのコミュニィティに入りこめるかもしれない。私も自分のかかわり合った人たちそれぞれのコミュニティでより内部までとけ込むことに努力したが自分が日本人であることをより意識する場合とアメリカ人たちと完全に同化していると感じる場合とがあった。
いずれにせよ異邦人であることに変わりはないのだがはたして周囲のアメリカ人は私は少なくとも日本人がアメリカ人を外国人として日本であつかうよりは はるかに彼らの仲間として向かえてくれたように感じたのだが。
以下には、私のアメリカ滞在の場所の順にその体験を感想、意見をまじえて述べてある。また巻末の英語エッセイの中では体験を通して感じた日米の生活、文化などの違いについていくつかの項目に分けて述べておいた。
また主な滞在した学校、機関、利用した民間団体、移民局の資料を参考のために付録として添えておいた。3 サマースクールと世界の若者たち
3.1 JFK空港に到着
羽田発ニューヨーク行きの直通便(アラスカ経由)で飛び約16時間でJFK空港に降りる。いままで憧れていたアメリカだけにそれもニューヨークに着くのだから期待の気持ちも大きかった。今考えると全くおかしいが金髪のアメリカ人が飛行場で作業しているのや車が右側通行なのをなるほどと考えたり、初めて外国の地を踏んですべてが物めずらしかったのだと思う。物事が新鮮に映りこまかなことにも興味をかきたてられ行動していくので日本に居たときののんびり屋の生活がうそみたいだった。ややおおげさだがアメリカでの最初の冒険はそのときの私にとっていかに安く空港からマンハッタン入りをするかということだった。大きな荷物を抱えていたが、結局バスと地下鉄でホテルにたどり着くことに成功。こんな小さなことでもアメリカ生活に溶け込む上で一つ一つが自信になっていくと思っていたので何でもやってみることにしていた。立ち並ぶ高層ビルディングもニューヨークにはなくてはならない風景だけれども何といってもそこに住む人間がとても興味深い。 あらゆる人種がいてそれぞれかって気ままに歩いたり立ち止まったり。(東京のように歩道が狭くないので誰かが急に立ちどまっても後の人はかんたんによけることができる。)どんな人間でもニューヨークは受け入れるという感じがする。初めて訪れても異和感のない街、外国人としての視線を感じず他人に興味を示さない。冷たさをとることもできるがアメリカ人の親密さとか人間性がよりいきている街のようにも感じる。ホテルのフロントは無愛想だったが街に出て道を聞いても親切におしえてくれるし、レストランもすいているときは気軽に話しかけて来る。何とも不思議な魅力のある街である。そんなわけで私にとってアメリカは大変良いものであった。ニューヨークの街についてはスタンフォードに下宿中よく訪れたので別項で詳述することにする。

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